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平成養生訓
人生にエッセンス、医療ジャーナリストの“丸山寛之さん”が綴る、平成養生訓を紹介いたします。
2014年11月10日
お教えします 夫を長生きさせる法
へぇ、アメリカ人にも亭主関白みたいな男がいるんだなあ」
ちょっと意外な発見でした。
「夫を早死にさせる法」という物騒なタイトルの一文を読んだときのことです。
筆者はハーバード大学のジーン・メイヤー教授(栄養学)、話はこう始まります。
「あなたの夫は『妻なんて体のいい家政婦』ぐらいに考えていて、妻への思いやりなど
とうの昔にどこかに置き忘れてきたような男ではありませんか。
もしそうならばそんな欠陥亭主はさっさとあの世へ送り込んで、あとは遺産で気楽に暮らす
という作戦はいかがでしょう。
その気がおありなら、次にあげる10カ条を実行してごらんなさい。
この方法を用いれば、殺人犯として死刑に処せられたり、刑務所に送られる危険はありません。
それどころか、よそ目には愛情深い優しい妻とみられるでしょう」
で、その10カ条とは─。
①夫を太らせなさい
肥満は確実に寿命を縮める。
②酒をうんと飲ませなさい
毎晩うまいさかなをしこたま出し、優しく酌をし、飲みたいだけ飲ませる。
深夜に酔っ払って帰っても機嫌よく迎え、飲み直しをさせる。
③いつも座らせておきなさい
家では何もさせず、テレビ上座に据えておく。
運動をするなどと言い出したら、足腰をいためるのが心配だとか、あなたがいないと
寂しいとか言って、やめさせる。
④脂肪をどっさり食べさせなさい
パンには分厚くバターを塗り、フライにできるものは決して焼いたり煮たりしない。
飽和脂肪酸の豊富な食物は血中コレステロールをふやし,動脈硬化を促進し、
心臓病、脳卒中、糖尿病、大腸がん、前立腺がんの原因となる。
⑤塩分の多い食物に慣れさせなさい
食塩のとりすぎは血圧を高くし、
心臓や脳の血管にダメージを与え、胃や腎臓もいためる。
⑥コーヒーをがぶがぶ飲ませなさい
濃いコーヒーの飲み過ぎは胃によくない。不眠も招く。
⑦たばこを勧めなさい
たばこが健康の最大の敵であるのは常識中の常識。
がん(肺、食道、膵臓、口腔、咽頭、喉頭、膀胱など)、
COPD=慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の
喫煙三大疾患のみならず、
胃・十二指腸潰瘍の誘因となり、目(加齢黄斑変性)や歯(歯周病)にもよくない。
たばこは未亡人志願者の最良の味方である。
⑧夜ふかしをさせなさい
テレビの深夜番組や取っかえ引っかえ借りてきたDVDを一緒に見る。
夫が寝不足で出勤したあと、あなたはまたベッドにもぐり込めばよい。
⑨休暇旅行に行かせない
夫がストレスを解消するからだ。
⑩最後の仕上げに始終文句を言っていじめなさい
これには金と子供のことが絶好の話題。
はたでくどくど愚痴られると夫の酒量はますますふえ、睡眠不足になり、血圧が上がる。
でも、あまりいじめ過ぎると、夫は憂さ晴らしに運動したり、やさしい相手を求めたりする。
経験に富む妻ならそこまで追い込まず、手加減しつつ効果を上げるこつを心得ているはず。
─と述べたあと、教授はこうつけ加えています。
「しかしあなたが本当に夫を愛しているのなら、これと反対のことをすればよいのです。
そうすれば夫の寿命はぐんと延び、孫たちには大好きなおじいさんができ、
あなたは子にも孫にも感謝されるでしょう」
(『健康な生活を送るために』収載=リーダーズダイジェスト社1971年発行。要約・リライトした)。
つまり「夫を早死にさせる法」を裏返せば、
「夫を長生きさせる法」になるという、これは逆説的養生訓です。
ずいぶんカビくさい古本を引っ張り出してきたものだなあ。
そんな声が聞こえてくるようですが、ホモ・サピエンスの出現は20万年も前、
50年やそこらで人間の体が変わるわけはなく、いまもリッパに通用する真理だろうと
思うのです。
対象が「夫」に限らないことは言うまでもありません。














